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気がつくと今年も残すところが少なくなってきました。日の暮れるのが早いです。

子どもたちは4月当初と比べ、心身とも大きく成長しました。保護者の方はお気づきと思いますが、帰りの列の到着時刻がずいぶん早くなったということ、これは朝も同じです。九時には全部のグループが到着しています。年少児の歩みが早くなったことの裏返しです。

幼稚園は最初の社会生活を送るところですが、最初は戸惑いがあるのは当然でしたが、徐々に慣れるにつれ、本来の持ち味をみなが出し合い、それがクラスの中で一つの絆で結ばれているというのが今の状況です。

「持ち味を出す」という点で私が大事だと思うものは、子どもたちがそれを気兼ねなく出せる環境作り、雰囲気作りです。広い意味で自主性の尊重ということですが、言うは易く行うは難しの典型で、私が子どもたちとの関わりをふりかえり、「あれは言わなくてよかった」とか「あれは余分だった」と自分で反省するのは、この点です。

私自身、子どもたちの自主性を尊重する気持ちをもちながら誘導を行いがちです。登園にさいしては、ある程度時間通りに到着しないといけないという大人の意識があります。一つのグループが10分、20分遅れると、子どもたちの属するすべてのクラスに影響が出ます。そのため、登園中に立ち止まって何かを観察したいと思っても、その願いをすべて叶えられない事情があります。

私以外の先生もその点は同じ気持ちだと思います。その葛藤をふまえればこそ、たとえば、雨の日でもかさをさして皆で通園路を散歩し、カタツムリはいないかとか、観察をする時間をもったりもします。しかし、子どもたちのめいめいが自由遊びの時間に園のエリアを外に出て、通園路をさかのぼって「あの場所」に行きたいと言っても、それは許されません。

ご家庭でも同じ事だと思います。子どもの自由を尊重したいと頭でわかっていても、大人のルールの下、何をどこまでOKとし、どれがNGなのか。OKなことは一々許可を得ないでもOKだと本人が思えるような関係を築くこととも大事です。先生や大人がOKを出さないと動けないというパターンは避けたいです。一方、NGなものはなぜNGなのか、その理由をどれだけわかりやすく子どもの「腑に落ちる」ように語れるか。とくに問題が生じていない穏やかな時間帯に、丁寧に説明することが大事な気がします。

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