今日は9月のお誕生会でした。
先生からの出し物に続き、私から子どもたちに「負けない」ということについてお話をしました。
運動会を見据え、勝ち負けについて少しふれたいと思ったからです。
誰かに「負けない」ということではなく、「自分にまけない」ということをお話ししました。
自分の何に負けないか、というと、自分の弱い心に負けない、ということです。
弱い心とは何か。それは、こうすればいい、ああしてはいけない、とわかりながら、「ま、いいか」と思って、安易な道(してはいけないとわかっている道)を選ぶことです。
あきらめること、投げ出すこと。
そうした「勝ち負け」は家でも幼稚園でもいつでもどこでもあります。
お母さんに頼まれたことを「ま、いいか。あとでやろう」と思ってやらないでいる心。
先生がお話をされているのに、「ま、いいか。聞かなくてもだいじょうぶ。わかっているから」と油断する心。
かけっこで勝ち負けがつくことにこだわり、「ま、いいか。がんばらなくても。」と勝負に背を向け、自分を許す心。
逆に、「いま、先生のお顔をしっかり見つめ、よい姿勢でお話をよく聞いている人。その人は弱い心を持っているのでしょうか、それとも強く心をもっているのでしょうか」。こう問いました。
目で見てわかる勝負ごとに限らず、どのようなことも、一生懸命ていねいに行うことが、人生の基本であると思います。
そして、重要なことは、幼児と言えども、自分で何が安易な選択で、何がそうではないのか、言われなくてもちゃんとわかっているということです。
他人に言われて態度を改めるのも一つですが、自分で自分の正しいと信じる道を選び取る人になってほしいと願い、上のような話をしました。
ちなみに、人生の岐路に立ち、困難で正しい道と、安易で不正に通じる道の選択を迫られ、ギリシア神話のヘラクレースは前者を選んだとされます。
近いところでは、野球の松井秀喜選手がインタビューで「迷ったら困難な道をいつも選んだ」と答えておられたことも思い出します。