「幼稚園は遊びが中心」とよく言われます。

「遊び」の意味、意義について世の中の(特に日本社会の)理解が十分及んでいないと思います。

遊びはチャレンジの別名です。体を思い切り動かすには広い庭が必要です。季節の移ろいを肌で感じるには自然に隣接した環境が必要です。
(しかし、マンションの一室で子どもが長時間過ごさざるを得ないケースもあると聞き、胸が痛みます)。

安心、安全を前提とし、子どもたちが思う存分チャレンジできる環境を整えることは幼稚園の使命です。

幼稚園の設置基準に十分な広さの園庭を備えることが条件付けられているのはそのためです。

園庭(ガルテン)のない幼稚園(キンダー・ガルテン)はありません。

本園は全国でもまれな、山の上の幼稚園として、めぐまれた園庭を有します。さらにその園庭から足を踏み入れると、比叡山に続く尾根道が手招きしています。

不便といえば不便ですが、見方を変えるとこれほど子どもたちの遊びにとって好都合な環境はないといえます。

誰が名付けたか、「お山の幼稚園」という名称は本当にその通りであり、子どもが育つ上で、緑の自然環境がどれだけ大きな意味を持つのかについては、私自身この山の上で生まれ育った者として、この年になって日々新たに実感するところでもあります。

遊びとチャレンジの持つ意味について、以下のエッセイで述べています。

>>Disce libens(楽しむことを学べ)――「好き」と「得意」の思い出作りに向けて

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