二学期に子どもたちにお話ししたことの一つが、「継続は力なり」ということです。
しかし、それがすべてでないことは当然のことです。どのような心でそれを行うかが問われます。
子どもたちには、12月の誕生会で「感謝」という言葉の意味を伝えました。
これらをまとめると、努力と継続と感謝が大切、となります。
継続的努力を可能にするのは自分の意思だけではありません。
それがかなうのは運のおかげという部分も忘れてはなりません。
たとえば自然災害の渦中にあって志を断念せざるを得なくなることもありえます。
子どもにとっては親の援助なしに努力を形に変えることは難しい部分があります。
要は志を成就するには周囲の目に見えない協力や助力も大きなウェイトを占めているのであり、さらに大きなところでは運も味方につけなければなりません。
逆に言えば、何かを成就した暁には、自分の努力半分、運が半分と思わないと、勘違いすることがありえます。
それを認識できる人は、必ず感謝と言う言葉を口にすると思います。
ラテン語の格言に、「運命の女神は盲目であり、抱きしめた相手を盲目にする」という言葉があります。
運がよくてうまくいっていることを自分の実力と勘違いするな、という戒めです。
一方で、「人間万事塞翁が馬」という言葉も真理です。
世間でいう成功、失敗の数々の例も、その後の展開を追いかければ、必ずしも成功は成功ではなく、失敗は失敗でない、そんな例は山ほどあります。
この格言から、目先の結果に右往左往するな、というメッセージを読み取ることができるでしょう。
年初に当たり、シンプルに「努力と継続がすべて」というメッセージを出せばよさそうなものですが、私の中ではそれは子どもたち向けの言い方にとどまります。
子どもたちには好きなことをとことん追求する原体験をどこまでも味わってほしいと思います。やがて、社会の中で自分の「好き」を「貢献」に変える道を見出し、われもよかれ、人もよかれ(英語のWin-Win)の道を見出すことができれば、すなわち、他者から感謝される経験を重ねれば、努力と継続はおのずとあとからついてくるでしょう。
子どもたちが将来「世のため、人のため(=それが己のため)」アクセル全開で人生を駆け抜ける姿を想像し、園としてできることを精一杯準備し、応援してまいりたいと思っています。