NHKによると、公開された全国学力試験の結果について、「小中学生ともに記述式など思考力や表現力が必要な問題で引き続き課題があることがわかりました。」とあります。
試験で試される力は学力の一側面とはいえ、結果の示唆する内容は無視してよいものではありません。
思考力、表現力をどうするか? これは古くて新しい問題です。
私は以前から、子ども時代の好奇心をいかに守るかが先決問題だと考えています。
そこを曖昧にしたまま、対症療法をいくら考えてもうまくいかないと思います。
文科省が求める「思考力」、「表現力」は、ある意味で、AIの及ばない領域の力という位置づけでもあり、時代の要請でもあります。
であれば、機械にまねのできない、人間らしい暮らしを幼少期からどれだけ重ねているかが、長い目で見たときに問われてくるのだと思います。
子ども時代、時間を忘れてどれだけ汗をかいて能動的に遊べたか、生涯の宝と言える経験をどれだけ友と重ねたか、など。
そうした思い出は年を取ってからお金で解決できるものではありません。
思考力、表現力の源は家庭での対話だと思います。
読解力も含めたそうした力の低下は、子ども同士、子どもと大人、とりわけ家族の中での対話の少なさも関係しているでしょう。
子どもの目線に立った、子どもの育ちの環境を守る機運を高めることで、国レベルでの挽回を図りたいところです。