金曜日の園長だよりでは、孔子の言葉(君子は器ならず)を教育と結びつけてご紹介しました。
今日は老子の言葉を<<無理やり教育論に結び付けて>>ご紹介します。
知人者智、自知者明。勝人者有力、自勝者強。
知足者富、強行者有志。
書き下し文は次のようになります。
知る人は智なり、自ら知る者は明なり。
人に勝つ者は力有り、自ら勝つ者は強し。
足るを知る者は富み、強いて行う者は志有り。
今回注目したいのは、「人に勝つ者は力有り、自ら勝つ者は強し」の部分です。
競争で他人に勝つには力が必要であるが(それも結構だが)、自分に打ち勝つには真の強さが必要である、という趣旨で理解できます。
私は、日ごろ幼稚園の子どもたちにも、「山の学校」の生徒たちにも同じことを伝えています。
全体の解釈の例は次の通りです。
「他人を知ることができる人は賢いが、自分自身を理解できる人は本当に賢明である。
他人に勝つことができる人は力を持っているが、自分に打ち勝つことができる人こそ真に強い。
満足することを知っている人は本当に豊かであり、困難に立ち向かい行動する人には志がある。」
幼稚園時代の経験は、老子の言う本当の心の強さや賢さを育む基礎づくりになるものです。
小学校に上がっても、その基礎の上に、克己心を培い、真の心の豊かさを養っていただきたいと願ってやみません。