今日は暑い中お足運びいただきありがとうございました。
先日小学生以上の保護者を対象にお話しした内容を、本園保護者向けにお話ししました。
前回配布した資料からポイントを抜粋します。
学校の勉強の見守り方──子どもの目になり心になる──
子どもの目:親の姿勢がどう映るかを振り返って見る → 子どもの学びへの共感が喜びとして映る
子どもの心:親が童心(好奇心)を持ち続ける、大人目線を押し付けない
問題:どこからずれるか?
子どもは本来「学びたい」という気持ちで小学校へ入学する
ずれの始まり:試験・評価・数字
点数や通知表だけで一喜一憂するのは「大人目線」
子どもが学び続ける鍵は「共感」
問題を一緒に解き「これは難しい」「これは惜しい」と声をかける
得点だけを材料に叱る・慰める → 共感の絆がもろくなる
提案・具体策:どうするか?
親子で教科書を一緒に開く
小1からできるところまで → 子どもが自立するまで
親が苦手・得意は関係ない
親の姿勢のポイント
「知ったかぶり」をしない → わからないと正直に言い、調べる
真剣に学ぶ親の姿 → 自分もそうしようと思う
得意科目を持つ親ほど注意が必要 → 子どもの「わからない」を理解しにくい
得意な親はあえて未知の分野にゼロから挑戦するのも有効(英語が得意な親はラテン語に挑戦する等=わからない気持ちがわかる)
学びは、上から目線では伝わらない
子どもは「親が真剣に学ぶ姿勢」を見て学ぶ
まとめと現状認識
今の子どもたちの学びの現実
英語:中1内容が小学校へ前倒し → つまずき大量発生
高校生でも中学英語の基礎が危うい
国語:小説・古典・哲学に触れる機会が減少
だからこそ 「学校任せ・塾任せにせず、親が共に学ぶ」 が決定的に大事
メッセージ:
点数より学びの過程を大事に
親子で一緒に学ぶ時間を楽しむ
主体的に学びを支える親の姿勢が子どもの未来をつくる
絵本の読み聞かせの延長として、本の読み合わせを楽しむ、等工夫は無限大
補足
会が終わってからいろいろご感想やご質問をいただきました。
まず、中学生以上のお子さんをお持ちの保護者からは、「読み聞かせをずっと続けています。続けていると学校のことで困ることはないと思います」と力強いメッセージを頂戴しました。
別の保護者からご質問いただいたことは、家で勉強を見ていると、どうしても厳しくなってしまうが、何かよい工夫はないでしょうか、というものでした。
これが答えかどうかはわかりませんが、もし今私が小学生の親だと考えてみた場合、家庭学習を長続きさせたいと思います。そのためには何が大事か?と逆算してみます。真っ先に挙げられるのが、無理をしないことです。
わからないことや、難しいことに目が行くのは親として当たり前のことで、それを「教える」となると、どうしても力が入ります。「(難しい課題を)よくがんばっているね(=偉いよ)」という気持ち、「今すべてを完全にしておく必要はない(=繰り返すチャンスはいくらでもある)がベースにあれば、親として多少気持ちが落ち着くのではないでしょうか。
家庭学習のポイントは「継続は力なり」ということです。思った以上に「薄口」の味加減でちょうどです。要所要所で、トメ、ハネを指摘すれば、親はよく細かいところまで見てくれているのだな、という印象を与えると思います。
1)すみずみまで完全な理解に至るまで(親が)気が済まない、という完璧主義は遠ざけた方が長続きします。
2)勉強時間は親が思う以上に短く切り上げるのがコツです。「もっとやりたい、ものたりない」という気持ちを少し残して終わるとよいでしょう。もちろん子どもの個性によって、そのあたりの駆け引きは親が一番よく知っていると思います。
3)続けやすい科目は「国語」の本読み。子どもに音読させて、気になる所を指摘。そのさい、「今ので十分よいよ。でも、ここをもう少しこう読めばいい感じじゃないかな?」と言うなど、言われた側の気持ちを考慮してコメントすると継続できます。
4)「国語」とならんで「算数」も親が目を通しやすい科目です。かつて、ある保護者は、単語カードを使って、表に問題(たとえば「6+5=」)、裏に答えを書いたものを子どもにわたして取り組ませていました。問題を作る所に親の真心がこめられていました。それを渡しておいて、「ではテストします」といってそのカードの内容に即した問題の答え合わせを口頭でやりとりすることもできます。
5)英語は5年から始まります。英語→日本語はできても、その逆はできないことが多いです。正しい英文どおり子どもが筆写できているかどうか。そのチェックは(多少英語が苦手でも)誰もが可能だと思います。冠詞が抜けたり、複数のsが抜けたり、dとbが混同されていたり、?がぬけたり、apleとなっていたり(pが一つたりない)、ローマ字読みのスペルになっていたり、ミスのバリエーションは様々あります。英語が得意な保護者の場合、子どもの英文の音読をチェックしてあげてください。繰り返し読めば誰でも滑らかに読めるようになります。
最高の先生になれるコツ
最後に私がお伝えしたいことが一つあります。どの保護者もお子さんにとって最高の先生になれるコツがあります。それは、お子さんが赤ちゃんだった時のことを思い出すことです。ハイハイをしているとき、「もっとがんばれ!」と手をつかみ引っ張って応援したでしょうか?あるがままを受け入れたのではなかったでしょうか?ある日、気づくと一つの壁を子どもは自力で突破しました。目を細め、「それでいいよ」、「えらいね」と何度も立とうと努力する姿を応援したのではなかったでしょうか。あのときの気持ちでお子さまの学校での勉強を見守れば万事末広がりにうまくいきます。
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