今日は三学期にお保護者会にご参加いただきありがとうございました。
前半は年長保護者対象で、劇の練習のお願いをさせていただきました。
コツは親子で楽しんで取り組むということです。
四月からの学校の勉強も、それと同じように家族で楽しんで取り組んでいただけたらと心から願っています。
目の前の年長児は、同じ幼稚園に通う年少児に比べると体も大きく、たくましく見えます。
その姿や日ごろの言動を見ていると、つい学校の予習、復習は本人任せでも大丈夫かもしれないと思いがちですが、私は大丈夫ではない、という考えです。
この時期のお子さんにとって、親のサポートは不可欠です。親だからこそマンツーマンで気を配れる大事なポイントがあると思います。
学びの「離乳食」に当たる大事な時期です。その過ごし方のコツについて、実例を交えてお話をさせていただきました。
後半の保護者会では、昨日のボール遊びをふりかえり、全員が前向きに取り組めたことをお伝えしました。
ボール(その他運動の取り組み全般)との付き合いを子ども任せ&学校任せにしても、上達はせず自信は身に着きません。
これも、ご家庭で楽しく取り組まれることをお勧め、お願いしました。
たとえマンションにお住まいでも、紙の玉を作り、ボールのトス&キャッチはできます。>>「キャッチボールの思い出」
本日バレー部の方々にはPRの時間に取り組みのご説明をお願いしました。
メンバーの皆さんが異口同音に言われたように、純粋に「楽しむ」をモットーにしたバレー部に入って本当によかった、というのは偽りのない実感だと思います。
(過去の私がそうでしたが)運動は苦手という方こそ、「ちょっとやってみようかな」という一つの前向きなアクションが、人生の視野が広げるまたとないチャンスになるのではないでしょうか。
運動だけでなく、本園には保護者向けの絵画の取り組みもあります。真摯に絵に向き合う時間が、ご自身の心の充足をもたらし、わが子の絵の取り組みを見る視点を変えてくれます。
山の学校の大人向けのクラスで語学に取り組む方もおられます。語学という頭の中での知的スポーツに取り組む親は、子どもを前にして無下に「勉強しなさい」と言わずに済むでしょう。
「勉強は難しいけれど、面白いね。わからないことがわかるって、こんなに新鮮で楽しいんだね。」という言葉を、宿題をする子どもの背中にかけてあげたくなります。
親が学べば、子どもの学びの姿勢を見る目が変わるでしょう。ひいては、子どもの学ぶ姿勢も変わること請け合いです。
学校の勉強も、運動も、音楽、絵画その他の取り組みも、親は親で、あるいは親子で一緒に楽しむことが、子どもの上達の基本条件だと思います。
具体的すぎる目標を設定し、鉢巻きを締めて目標目指して「がんばるぞ」とけしかけても、競争と結びつけた取り組みは長続きしません。
楽しんでとりんでいれば、「何かよいこと」につながります。その先の展開は「お楽しみに」待てばよいのでしょう。
ちょうど昔話に出てくる正直な登場人物のようにです。
何が何でもお殿様の褒美をもらうぞ、と思わなくても、結果として「何かよいもの」が手に入れば、望外の喜びと言うべきでしょう(=日々も楽しい、結果が得られてまた嬉しい)。
それを目標にして、努力の最適化を図っても、最終的に灰をまき散らすだけだと昔話は教えています(=結果が得られても、上には上があるともっと上を目指すよう促され、不安との戦いはエンドレス)。
子どもたちは親をよく見ています。
親が楽しそうに何かに取り組めば、自分も同じことがやりたいと言います。
アウトドアはもちろん、インドアに目を移しても、親子で歌を歌う、一緒に絵を描く、本を読む、etc. クリエイティブな取り組みは工夫次第でいろいろできます。
親子で楽しく取り組む時間が持てたら、また、親が親で心から楽しめる取り組みを持てば、その空気は必ずよりよい未来を招きます。
蛇足ながら、以上のような考えのもと、今から20年ほど前に「楽しく学べ」をモットーに「山の学校」を開設しました。
親子で積極的にご利用いただければ、それにまさる喜びはありません。
「楽しく学ぶ」は「楽して学ぶ」ではなく、「工夫して学ぶ」ことだと思います。
大人には経験があります。日々様々なことに努力を重ね、工夫しています。
山の学校の先生は、その工夫やコツ、ヒントを披露しながら、子どもたちと一緒に楽しく学び、課題に挑戦することを大事にしています。
一緒に本を音読して感想を語り合い、疑問を出し合い、答えを考えること。考えた結果を文章にまとめて互いに交換すること。
四月からは、「子ども哲学」というクラスも開設します(中学以上)。
時を忘れて絵を描く「かいが」のクラスも、五感をとぎすませ、自然のメッセージに耳を傾ける「しぜん」クラスも、さらに充実した取り組みを目指します。
創意工夫を重ねて自分のイメージ通りのモノを作り出すクラスも新たにお目見えしますので、新年度のご案内に乞うご期待です。