本日は三学期終了式を行いました。
式の最初に全員で園歌を歌います。全体として頑張って歌えていましたが、どこかそわそわした空気も流れています。
ちょうど明日新入園児お招き会を開き、そこでも園歌を歌いますので、歌のことについて言及しました。
話した内容はシンプルで、「簡単なことが大事」というメッセージでした。
お話を聞くときは前を向いてお顔を見るとか、歌を歌うときはまっすぐ前を向いて歌うということは簡単に見えて難しい。
どうしても気持ちがソワソワすると右を向いたり、左を向いたり、上を向いたり、下を向いたりしてしまいます。
このようにお話をしながらも前を向かない人がいますねと言うと、自分のことだと気づいた多くの子が姿勢を正しました。
このとき、私が幼稚園時代に当時の園長先生によく話されたことを言いました。
いちばんいいのは言われなくても自分でちゃんとできること。
その次は(今のように)言われたらちゃんとできること。
私が園児だったときは、この続きがあって「言われてもできないのは動物。だから、ライオンや象は鞭で打たれる」と続くのでした。私はこの続きの話はしません。
年長児にも俳句の時間に同じ話(=姿勢よく取り組むことが大事。自分で気づいて正せるのがベスト)はちょくちょく話します。
学校において、人生において、常に問われるのは「姿勢」です。学ぶ姿勢、生きる姿勢。
簡単に見えることが大事である。
20年子どもたちを見てきて思うことは、幼稚園では朝のごあいさつが大事だということです。
全員が椅子を丸の字に並べて先生と向き合い、ひとり一人名前を読んでもらい「はい」と返事をする。
このとき、先生のお顔をしっかり見て返事をしているか、よそ見をしながら口だけハイと返事をするか。違いは大きい。
先生はその表情をひとり一人しっかり見て、何かを感じ取らないといけない、と私は常々先生たちに言っています。
堂々とお返事ができているか、とか、何か元気が感じられない、とか、そわそわしているとか、いろいろな印象があるはずです。
そこからいろいろ仮説を立て、その日の諸活動の中で注意して子どもたちの心身の動きを確かめるようにします。
あのとき感じた「何か」とは「これ」だったのだな、と合点できると子どもとの距離が縮まります。
同じことが家の朝のスタートでも言えるでしょう。
「おはよう」と親が言ったときの子どものリアクションは日によって微妙に違います。
今日は元気だ、とか、どこか元気がない、とか、見つめる目の様子が嬉しそう、悲しそう、寂しそう、etc.
教育において、小さいサインを見逃さないということは簡単に見えて大事であるということだと思います。