昨日の補足です。trial and errorといえば思い出すヘンリー・フォードの表現があります。
“There is no disgrace in honest failure; there is disgrace in fearing to fail”
― Henry Ford, My Life And Work
「正直な失敗に恥ずべきものはない。失敗を恐れることの中に恥がある。」と言われています。
failureをhonestという形容詞が修飾する点で目を引きます。
なぜ「失敗」は「正直な」と呼ばれうるのでしょうか。
「誠実に準備し、その結果思った結果が得られなくても、それを次に生かす姿勢を持つ限り、つまり誠実に次への準備を怠らないなら、それは恥ずべき態度とは言えない」という意味でしょう。
honestは「誠実な」と訳せますが、その反対は失敗をしても言い訳をしたり、見て見ぬふりしたり(つまり改善点に目を向けない)することかと。
ゲーテは「人は努力する限り常に迷う」と述べました。誠実に生きる者にとって error(失敗とも過ちとも迷いとも訳せる)はつきものです。それを直視し、より正しい道を選び取る判断を下す材料にできるかどうか。そこに人としての誠実な生き方が問われます。