苦しみと喜びが背中合わせだということを表す言葉に「禍福はあざなえる縄のごとし」というのがあります。
西洋の古典にも似たような表現はいろいろあります。「苦しみの後には喜びが訪れる」という意味で、「雨のち晴れ」(Post nubila Phoebus)と言う言葉を理解することも可能です。
あるリーダーは絶望の淵に立たされつつ、部下たちに向かって「神はこれらの苦しみにも終わりを与えるだろう」と言って励まします。
さらに、「きっといつの日か、今の苦しみを思い出して喜べる日も訪れるだろう」とも。
苦しみの渦中にいて、それがいずれ喜びに変わる、と励まされ、即座に納得できるかどうかは、ひとえにそのリーダーの日頃の人徳によると思われますが、このせりふを述べたのが、ローマ建国の祖とされるアエネーアース。かのアウグストゥスをモデルとしてウェルギリウスが書き残した叙事詩のヒーローです(ちなみに、8月のAugustはアウグストゥスに由来する名称です)。
この言葉の詳しい背景について書いています。