昨日に続き西洋古典の話題を一つお知らせします。
今から四半世紀前に岩波書店から「キケロー選集」が出版されました。
キケローは西洋社会における「ザ・知の巨人」です。
私も『神々の本性について』の翻訳を担当しました。
残念ながら、この選集は絶版となり、入手困難な状況がずいぶん長く続いていました。
ところがこのたび、講談社学術文庫から、キケローの代表作と言える二作品『国家について』『法律について』が文庫化され、出版されることになりました(1/16日)。
個人的に大変めでたいことだと思っています。
訳は岡道男先生で、訳文、注釈、解説とも考え得る最高水準です。
ご縁あって解題を書かせていただきました。
西洋文化に関心をお持ちの方に広くお勧めできる一冊です。
追伸
『国家について』は全部で6巻から成ります。その最終巻(第6巻)は伝統的に「スキーピオーの夢」と呼ばれ、親しまれてきました。ラファエロやモーツァルトに同名の作品があります。いきなり第一巻から通読するのが難しければ、ひとまず第6巻だけ先に読んでもよいかもしれません。