昨日はキケローの話をしましたが、『国家について』『法律について』はキケローの代表作とはいえ、(個人の感想ですが)難解です。
対話篇なので、個々の文の難易度は高くないのですが、なぜここでこんな話をするのか?という点で難しさを感じる次第です。
その点で「解説」の熟読は不可欠になったり、個々の註を丁寧に参照したりしながら、できればゆっくり読み進めるのがお勧めです。
一方、内容に関して誰にとっても無関心ではいられないテーマを扱った作品として、『老年について』と『友情について』があります。
端的に言えば、前者は人生いかに生きるべきか、という内容で、老若男女問わずお勧めできます。
後者は、心を許し合える、また、互いに高め合える人との関係をどう結び、どう守り育てるかの内容です。
タイトルは「友情について」ですが、キケローの議論は、生涯の伴侶との関係をどう大切にするか、と読み替えてもしっくりいく内容になっています。
どちらも短い作品です。両作品を一冊にまとめて出版しているのが講談社学術文庫で、大西英文訳です。
一冊ずつ独立して販売しているのが岩波文庫版で、どちらも中務哲郎訳です。