息子が幼稚園に入園してから、一年が経ちました。このたった一年でありますが、私は沢山の感動を息子からもらいました。
行ってきますと手を降り、硬い表情で初めて登園して行った日。歩いている時も教室に入っても緊張と不安ではち切れそうになっていたと思いますが、それを少しずつ解きほぐし、笑顔で帰らしてくれた先生。
綺麗だったからお母さんにお土産、と言って渡してくれた園庭で拾ったピンク色のお花。それをきちんとビニール袋に入れ、息子の気持ちを大切にしてくれた先生。
私は振り返って見て、この2つに北白川幼稚園の良さが全て現れているなと思います。それは、手間暇を惜しまず子供の気持ちに寄り添い、成長を喜ぼうと言う、園長先生を始めとする先生方の気概です。
その心意気のおかげで、息子は少しずつ自分を出せるようになり、気持ちを伝える事も上手になり、お歌もお遊戯も全てが楽しく幼稚園が大好きになりました。
シャイで誰とでもすぐに仲良くなれるわけではない息子が、名簿と集合写真を見ながらお友達の名前を覚えました。そのクラスのお友達と一緒に過ごす事が大好きなようです。
初めて自分で作ったお友達。それをはにかみながら教えてくれた顔と、飛び上がるくらい嬉しかった私の気持ちは、きっと一生忘れないでしょう。
皆さんそうだと思いますが、私達夫婦は息子が産まれてから一生懸命に育てて来ました。成長に喜び、性格に戸惑い、優しさに感動し、しつけに悩んできました。
どうしたら親の思いが伝わるのか、世に出た時に役立つ人間になるのか試行錯誤しながら夫婦で悩み育てました。その気持ちのタスキを北白川幼稚園の先生は、しっかり受け取り、次に続くよう懸命に指導してくださってます。
3月に1年の締めくくりに生活発表会がありました。1月から振り付けを覚え、練習の努力と本番の緊張を弾き出しかのような元気一杯のステージを私達保護者に見せてくれました。
時間をかけて少しずつ準備をしながら、本番を心待ちにし、当日思いっきり楽しむ行事は他にもあります。
準備の時からワクワクドキドキを一杯にして、その気持ちを思いっきりぶつける事の素晴らしさを何度も教えて頂きました。それは、帰って来た時の息子のキラキラした顔や、作品を本当に大事に引き出しにしまう姿から見てとれます。その気持ちを一つ一つ積み上げ、自信に繋がってくれたら良いなと思っています。
また、この幼稚園の特徴でもある歩いての登園は、間違いなく体力は付くでしょう。しかし、体力だけではない子供の心の成長が分かります。
お友達と話しながら歩く楽しさ、優しく守ってくれる年中年長さんの頼もしさに憧れる気持ち、途中で合流したり、迎えに来てもらって帰るお友達を羨ましがる事、だけど途中で私に拾われたときの優越感と罪悪感。楽して甘えたい気持ち、だけど頑張って歩いた後の公園で遊ぶ楽しさ。そういった気持ちをごちゃ混ぜにしながら、毎日、当たり前の用に幼稚園まで歩いて行き歩いて帰ってきます。
一年が過ぎでも息子はいつも緊張した面持ちで、固くなりながら列に入ります。しかしすぐに、行ってきますと笑顔で私に手を振ります。私があれこれと気を揉まなくても切り抜けられる強さとしなかやさを見たようで、私は嬉しくなってついつい大きく手を振ってしまいます。
今、息子は年中になり、新しいクラスや年少さんとの登下校に緊張しながら園に通ってます。ゆっくりではあっても、クラスに馴染み、ノビノビと過ごせるようになることも、少しずつお兄さんになり年少さんのお世話が出来るようになることも、私は心配せずに信じる事が出来ます。
何故なら、この一年の息子の精神的な成長を見る事が出来たからです。そして、その成長の裏には子供のペースに合わせながら根気強く丁寧に指導して頂いている先生方のご尽力には本当に感謝しています。