園長だより– category –
-
園長だより
子どもだからわかる話
お山の上の桜は満開です。 日中の美しさは格別ですが、上の写真のように夕日を浴びた桜にも風情があります。 どの桜が一番だとか、どの花びらが最も美しいというふうにはならないのがよいと思います。全部があって全部すばらしいです。 幼稚園の子どもたち... -
園長だより
見守ることの意味
私はあちこちで「見守る」ことの大事さをお話ししています。 ただ、何もしないですむなら苦労しない、という思いを抱く人は少なくないと思います。 たとえば、鉄棒の逆上がりに挑戦する子がいるとします。 ここぞとばかり「指導する」よしあしというのがあ... -
園長だより
子どもと向き合う心──二つの抱っこ──
言うまでもなく子どもは大切なものです。万葉集にも、「銀も金も玉も何せむに、優れる宝子にしかめやも」とあります。しかし、大切だからといって、銀や金のように金庫にしまいこむのはおかしいわけです。 むしろ、「かぐやひめ」の話が示唆するように、い... -
園長だより
「この子らを世の光に」考──本園の教育について
連休中本棚を整理していると、祖父(1914-1968)の書いた本が目に留まり、しばらく読みふけりました。タイトルは『福祉の思想』(糸賀一雄)。祖父は54歳で他界するまで、持病の心臓病を抱えながら、よくお山の幼稚園の石段を登って初孫である私に会いに来... -
園長だより
手をつないで歩くこと
子どもがつかまり立ちをし、やがて独り立ちをするとき、感動を覚えない親はいないでしょう。一人で歩けるようになったら、それは記念すべき出来事です。動物の中で人間ほど歩けるまでに時間のかかる生き物はいないと思います。それは、歩くことが人間にと... -
園長だより
子どもの好奇心を守るには
作家の司馬遼太郎は中学時代に英語が嫌いになりました。理由は英語の授業中に「ニューヨークってどういう意味ですか?」と先生に尋ねたら、「地名に意味などあるか!」と一喝されたためでした(「“独学”のすすめ」)。 教育において子どもの好奇心を「どう... -
園長だより
収穫を問うなかれ
「収穫を問うなかれ」。これは中国、清末の政治家曾国藩の金言で、「ただ耕耘(こううん)を問え」と続きます。耕耘とは田畑を耕し、雑草を除去する作業を意味します。学校教育にあてはめてみると、なかなか含蓄のある言葉のように思われます。いわゆる成... -
園長だより
真似ること
子どもは模倣や真似が大好きです。模倣は尊敬の別名であり、子どもたちは何かに憧れ、何かを尊敬したくてたまりません。それは人間として本来備わっている「真・善・美」を追求する欲求に合致した自然なことだと思います。まずは憧れの気持ちから真似を繰... -
園長だより
三つ子の魂の行方
英語で子どもをインファントと言いますが、原義に照らすと「言葉を話せない者」という意味になります。赤ちゃんもそうですが、言葉を自由に操れない小さな子どもたちは、大人に何かを訴えるとき、言葉より行動や態度で─泣いたりすねたり怒ったりして─様々... -
園長だより
希望と不安
4月は入学や進級の月です。希望と不安の入り混じる月でもあります。ローマの哲人セネカは「希望のあとを恐れが追いかける」という言葉を残しました。「こうなればいいな」という願いは、「こうなったら困る」という不安と紙一重であり、何かを期待する心...
12