園長だより– category –
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「この子らを世の光に」考──本園の教育について
連休中本棚を整理していると、祖父(1914-1968)の書いた本が目に留まり、しばらく読みふけりました。タイトルは『福祉の思想』(糸賀一雄)。祖父は54歳で他界するまで、持病の心臓病を抱えながら、よくお山の幼稚園の石段を登って初孫である私に会いに来... -
手をつないで歩くこと
子どもがつかまり立ちをし、やがて独り立ちをするとき、感動を覚えない親はいないでしょう。一人で歩けるようになったら、それは記念すべき出来事です。動物の中で人間ほど歩けるまでに時間のかかる生き物はいないと思います。それは、歩くことが人間にと... -
子どもの好奇心を守るには
作家の司馬遼太郎は中学時代に英語が嫌いになりました。理由は英語の授業中に「ニューヨークってどういう意味ですか?」と先生に尋ねたら、「地名に意味などあるか!」と一喝されたためでした(「“独学”のすすめ」)。 教育において子どもの好奇心を「どう... -
収穫を問うなかれ
「収穫を問うなかれ」。これは中国、清末の政治家曾国藩の金言で、「ただ耕耘(こううん)を問え」と続きます。耕耘とは田畑を耕し、雑草を除去する作業を意味します。学校教育にあてはめてみると、なかなか含蓄のある言葉のように思われます。いわゆる成... -
真似ること
子どもは模倣や真似が大好きです。模倣は尊敬の別名であり、子どもたちは何かに憧れ、何かを尊敬したくてたまりません。それは人間として本来備わっている「真・善・美」を追求する欲求に合致した自然なことだと思います。まずは憧れの気持ちから真似を繰... -
三つ子の魂の行方
英語で子どもをインファントと言いますが、原義に照らすと「言葉を話せない者」という意味になります。赤ちゃんもそうですが、言葉を自由に操れない小さな子どもたちは、大人に何かを訴えるとき、言葉より行動や態度で─泣いたりすねたり怒ったりして─様々... -
希望と不安
4月は入学や進級の月です。希望と不安の入り混じる月でもあります。ローマの哲人セネカは「希望のあとを恐れが追いかける」という言葉を残しました。「こうなればいいな」という願いは、「こうなったら困る」という不安と紙一重であり、何かを期待する心... -
プチ教育相談
園児と手をつないで歩いていると、ちょっとした教育相談を受けることがあります(グループを問わず、年度を問わず)。 「あんなー、おにいちゃんなー、おこられはるねん。」といった具合にです。 部屋の片づけをしていない、というのが叱られる理由の場合... -
優しさの行方
保護者からよくいただくご相談に、「幼稚園時代は楽しく、先生も優しく、お友達とも仲良く過ごすことができているが、小学校に行くと様々な試練が待ち受けるのではないか」というものがあります。一言で言えば、幼児期に優しい気持ちで周囲に接してもらっ... -
年長児の劇の練習について――生涯の宝を育てるために――
年長クラスでは、保護者会の翌日から劇の練習を始めています。練習の初日にはみんなで過去の発表会のビデオを観ました。「次は自分たちの出番だっ!」とみんなやる気満々です。年長児の保護者におかれては、4月からの学校教育に対して色々ご不安もあろう...
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