9月の保護者会でも予告させていただいたことですが、いよいよ11月から、クラス単位で「絵本の貸し出し」を始めたいと思います(詳しくは別紙の要領をご一読下さい)。幼稚園生活の思い出作りの一助として、意義のある取り組みになればと願っています。

これまでの園生活を振り返りますと、子どもたちは、家でお気に入りの絵本を幼稚園に持ってくる習慣があります。担任の先生にそれを読んでもらうことを何より楽しみにしています。また、本を読んでもらう楽しさをクラスの友達と分かち合うことがうれしくて、ワクワクする経験となっています。

手提げカバンに本を入れて持ち運びするのは、大人の目から見ても大変だろうと思うのですが、本を持ってくる子どもが「重い」と不平を言ったためしがありません。自分の手で一生懸命山の上まで運び、また、家まで大事に持って帰るのです。今度はそこに幼稚園の絵本を家に持って帰るという経験が付け加わります。子どもたちが幼稚園の絵本を選ぶとき、心の中では家で本を読んで下さるお父さん、お母さんのお顔を思い浮かべているはずです。

ですから、お子さまが本を選んで帰られたら、どうかそのお気持ちを大切に受け止めてあげてください。お子さまが借りてこられた本については、ぜひご一緒にその本を開く時間を楽しく過ごしていただけたらと思います。

子どもにとって、絵本は自分で読むものというより、親や先生に読んでもらうものです。言葉の発達の面では「授乳(子どもから見たら「受乳」)と同じ意味があります。一方大人にとっても、自分自身が幸せで豊かな気持ちに包まれる経験になります。

言うまでもないことですが、子どもにとってかけがえのない経験は、親にとっても思い出深い経験になります。お子さまが借りた本については、「貸し出し記録」にその本の名前と日時が残ります。将来、この記録簿が親子共通の懐かしい思い出として、美しく結晶することを何より願っています。

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