雨雲が世の中を覆い尽くしているかに見えます。
太陽が消えてなくなったわけではありません。
英語でAfter rain, the sun.「雨の後に太陽」と言われますが、元のラテン語(Post nubila Phoebus.)は「雨雲の向こうに太陽」と訳すことも可能です。
厚い雨雲が空を覆っていても、太陽は消えたわけではありません。
ただし、報道されるニュースばかり見聞きしていると、太陽(=人間社会の理想)が消えたと言って大騒ぎしなければなりません。
幼稚園の仕事をしていると、目に見えるものも大切ですが、目に見えないものを見抜く心の目(想像力)を磨くことがさらに大切です。
「星の王子さま」の登場人物も言いました、「本当に大切なものは目で見ることができない」と。
画家のゴーギャンも、「私はものを見るために目を閉じる」と喝破しました。
相手を思いやる子どもたちの美しい心や、困難を乗り越えようと挑戦する強い魂は、幼稚園の日常の風景の彩る一つ、一つです。そして、特段ニュースに取り上げられるものではありません。
ただし、自分で自分の心の目を磨かないと、決してその姿をありのままとらえることはできないでしょう。
今年は去年以上にジェットコースターのような一年になるでしょうが、雨雲の向こうに輝く太陽の一角を形成する人間の真心を信じ、見守る目を見失わないように日々過ごしたいです。
皆様にとり、よい一年となりますようお祈り申し上げます。
本年も宜しくお願いいたします。