絵本通信に寄せられた保護者の感想をご紹介します。

一年間、先生方ご自身の色々な思い出に残る絵本をご紹介頂き、今日のお便りに書かれておられるように、我が家では気になった本を買い求めたり、以前より人様から頂いておりました古本の中にその本を見つけたりして、そうかーと先生方のエピソード等を思い浮かべながら楽しむことができました。

私自身は父母から絵本や素話しを聞いた事はなく(農作業でそれどころではなかったのでしょう)小学校等では図書室というものがありながら、本を読む機会といえば、せいぜい夏休みの宿題の課題図書をそれこそ後書きや前書きなるものを少し読んでは嫌々本に接していた記憶があります。当時からきっとまわりには素敵な絵本があったのだとは思いますが・・・。

そんな私も、上の子ども達(もう大人に近い)が生まれ、保母をしていた姉の育児に習うべく、わけもわからず絵本の読み聞かせをはじめることになりました。そうして、毎晩、図書館から借りてきた本を子ども達と読み進むうちに、いつしか私自身が未知の本に出会う喜びを感じていました。

ある日、私が風邪か何かで寝込んでいるとき、その日は私に代わって主人が読み手ということになりました。お先に失礼と床についた私ですが、ただ一本調子に発せられる主人の語りに、妙に引き込まれ、眠るどころかお話の中にどんどん入り込んでしまったものです。耳から聞く楽しさをこのとき初めて体験したように思います。

本を囲んで子ども達に読み聞かせながら、気がつけば子どもはともかく、私自身が楽しめるようになっていました。そして、その楽しさはどうも強い伝染力があるらしく、子ども達はいつしか自ら本を選び、それを今度は親と共有の時間ではなく、一人楽しむということも覚えたようです。(もちろんマンガも同量ですが)。

私も今では絵本を卒業し、昔の私では考えられないような分厚い本を興味さえあれば読み通すことが出来るようになりました。自分自身の数々の経験より確かなものはないけれども、台所の一隅で様々な人たちと出会い一喜一憂出来ることは、この読み聞かせのおかげかなと子ども達に感謝しているところです。

お便りを読ませて頂き、うんうんと一言一言の言葉に納得しながら、思わず筆をとらせていただきました。なぜだかわからないのですが・・・。先生方にお伝えしたくなって・・・。ありがとうございます。

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