タイトルは「しのたまわく」と読みます。
「先生は言われた」という意味です。
この言葉に対応するラテン語が Ipse dixit.です。
Ipseは先生という意味ではありませんが、オリジナルの文脈からそう解釈できます。
ピュータゴラース(ピタゴラス)を指します。
このラテン語から、ipsedixitismという難しい英単語もできました。
日本語に直すと「子曰わく主義」とでもなるでしょうか。
この言葉が出てくるキケローの作品は『神々の本性について』です。
昔苦労して訳しました。
神々とはどのような存在か、が主題ではなく(表向きはそう見せていますが)、この作品の本当の主題は、議論とは何かについて、だと私は解釈しています。
その意味で、今の日本にとって、とりわけ教育界にとって、きわめて重要な作品だと確信します。