今日は3学期の保護者会を開きました。多数のご来園を感謝いたします。
教育に関する話は台本もなく、テーマが多岐にわたってしまい、お聞き苦しかったかも知れません。
各ご家庭にとってヒントになる部分が少しでもあれば幸いです。
ところで、今日のお話の中で、たんぽぽぐみの前の花壇の話をしましたが、いまそのことをふりかえりながら、今朝年少児とかわした会話のことを思い出しました。
一人の女の子が「えんちょうせんせい」と神妙なおももちでたんぽぽ組の前で私を呼び止めました。
話を聞くと、「いもうとが春から幼稚園にこれるかどうかしんぱいなの」と言うのです。
私は大事な瞬間だと直感し、しゃがんでその子にいいました。
「ほら、ここにチューリップを植えたね。今まだ芽が出ていませんが、そのうち必ず芽が出て、春に花を咲かせます。Aちゃん(妹)が幼稚園に来るのはそのときです。まだ先のことですね。きっとその頃にはニコニコ幼稚園にくることができると思いますよ」。
黙って話を聞く表情に、お姉さんとしての優しい思いやりがにじみ出ていました。少しホッとしたような顔に見えました。
こんな小さな子でも、責任(幼稚園には自分が引率していくのだという責任を感じているのでしょう)の重さにお母さんのような心配をしているのか、と深く感じ入りました。
逆に言えば、この年少児さんなりに毎日楽しく過ごしていることは間違いないのですが、同時に入園前から今に至る様々な思い出を振り返りつつ、お姉さんである自分がこれだけ大きな「試練」をくぐりぬけて今がある、そのような大仕事をあの子(=いもうと)ができるのかしら、という気持ちから、不安を持っているようにも見えました。
私はたんぽぽぐみの花壇を指さして、入園前の保護者に申し上げるのと同じ事(=長い目で見守りましょう)をその子にも伝えたことになりますが、四月以降きっとその子(いもうと)も幼稚園に慣れ、お姉さんのように幼稚園生活を満喫するようになるでしょう。また、その様子をみて、ほっと胸をなで下ろし、二人仲良く登園するようになるでしょう。
昨日、保護者会で園長先生のお話を聞きながら、いくつか懐かしく思い出されることがありました。
ひとつは、我が家の読み聞かせのエピソードです。
次女は小学校に入学するまで全く文字が読めませんでした。1年生になってもかなりマイペース、いつのまにか文字を読んでいた長女、、こんなにも個体差があるのかと感心していました。その次女が、病気ばかりしている末っ子の弟に「絵本を読んであげたいけどどれがいい?」と聞かれました。私は、「○○ちゃん(次女)がすきなのでいいんやない?」とこたえました。悩んでいましたが、末っ子の好きな電車の絵本をえらび、2人並んで座り、読み聞かせが始まりました。たどたどしく、何度も何度も言い間違えながらどれくらいかかったのでしょうか… 読み終えました。途中で諦めなかったのがすごいな、と思っていたら、末っ子が「立ち上がれない、○○ちゃん足がしびれた」と言いました。そしたら「○○ちゃんもー」と言って2人で笑ってました。「読んであげたい」という次女の気持ちと「自分のために読んでくれてる」という末っ子の感謝の気持ちが、きっといつの間にか2人を正座にさせていたのでしょう。なんともいえず、温かい気持ちになりました。この時読んでいた絵本は今でも末っ子の大好きな絵本です。
みんなが好きな絵本、それぞれが好きな絵本、絵本から子どもたちの気持ちや嗜好を教えてもらうこともよくあります。なかなか毎日は読めないのですが、読めるときは私もワクワクしながら読んでいます。一体になれるかけがえのない時間です。
山下です。
コメントをありがとうございます。
ごきょうだいがおられると、こういう心温まるエピソードが生まれるのですね。絵本はたしかに家族が「一体となれるかけがえのない時間」をプレゼントしてくれます。正座とはすごいですね。こうした一日一日の大切な思い出は、年月がたつほど輝きを増すものだと思います。