今日は無事に第73回卒園式を第3園舎で終えることができました。
子どもたちは胸を張って証書を受け取りました。
ひとり一人が一回り大きく輝いて見えました。
あいにく外は雨がふっていたため室内で写真撮影を行いました。
式終了後、保護者による「ありがとうの会」を開いていただきました。
和やかな会となり、楽しく過ごすことができました。感謝申し上げます。
雨もやみ、園庭で行うことができてよかったです。
卒園式が雨、その後晴れるというパターンは今まで何度か経験しています。
雨のち晴れ。雨はよくないもの、晴れはよいもの、うれしいものというイメージがあります。
やまない雨はないともいいます。
この言葉でまっさきに思い浮かぶのはコロナ禍です(「雨」=「コロナ禍」)。
今年の卒園児の在園3年間はまさにコロナ禍真っ只中であり、今ようやくその「雨」もあがろうとしています。
雨降って地固まるという言葉もあります。
雨にポジティブな意味を見出そうという姿勢が感じられます。
コロナ禍で、子どもたちは様々な制約を受けました。
保護者も同様です。
園として、苦渋の決断を幾度となく繰り返しました。
しかし子どもたちは、雨降りの中水たまりも遊びの対象に変えてしまう遊びの天才です。
コロナ禍をものともせず、日常のすべてを楽しみながら、仲間と助け合い、励ましあい、高めあう3年間を過ごしました。
私は子どもたちの外遊びを見守りながら、例年以上にシャッターを切り、そんな子どもたちの笑顔をいっぱい記録しました。
少しでも保護者に子どもたちの「今」をお届けし、そのありふれた日常の中の喜びを共有していただきたい、と願ってのことでした。
今回お持ち帰りいただいたDVDにはそのエッセンスを凝縮したフォトシネマが収められています。ぜひご覧ください。
今はなにげなく見える日常の一こまも、5年後、10年後に見直せば、感慨も新たになることでしょう。
子どものころに見た風景が、ずっと心の中に残ることがある。いつか大人になり、さまざまな人生の岐路に立った時、人の言葉ではなく、いつか見た風景に励まされたり、勇気を与えられたりすることがきっとある。~星野道夫『長い旅の途上』
3年前、自分の子どもが石段を登って毎日通うとはとうてい信じられなかった、という言葉を保護者からちょうだいしました。
子どもたちが一歩一歩石段を上る山道は、ご自宅でわが子の成長を見守る保護者の山道でもありました。
不便は多くありました。
しかし、「神は幸福の前に汗を置いた」とは古代ギリシャの詩人の言葉です。
卒園児たちは大文字山のてっぺんまで登り、京都市内の広大なパノラマ風景を目に焼き付けました。
まさに「感動の前に汗がある」の世界です。
送迎、お弁当、etc.
保護者の皆様の三年間に心より敬意を表したいと思います。
おかげで、今日の喜びの日があります。
かけがえのない3年間の思い出はご家族の心の絆の象徴です。
1日往復2キロ。1年で440キロ、3年間で1320キロメートル。子どもたちの歩いた距離の概算です。
それに加えての石段の上り下り。さらには園庭せましと走り回り、ときには尾根続きの森にでかけて駆け回る。
万歩計では計測不可能です。
よく歩き、自然にふれ、友を大切に思いやる心を育む。
お山の幼稚園のエッセンスをたっぷり吸収し、子どもたちは小学校に向けて旅立ちました。
卒園は新たな冒険の始まりです。
子どもたちと皆様の未来が幸福と平和で満たされますことを心よりお祈りします。