以前「浦島太郎」の絵本を紹介しました。
>>おやまの絵本通信
そこに書きました通り、絵本にとって「絵」は大切です。
昔話を題材とした絵本は多いのですが、私はいわさきちひろさんの絵が好きです。
昔話を今に伝える言葉は絵と並んで大切です。
大人として一読し、納得できる作品を子どもに読んであげたいです。
あらすじだけを雑に扱ったものはできれば避けたいです。
松谷みよ子さんの日本語は美しいです。
この作品の最後の部分は、次のように終わっています。
とおい うみの はてから、なみが
おとひめの うたを はこんできた。
あけては いけないと いったのに。
あけては いけないと いったのに。
あなたの わかい いのちを
そのはこに しまっておいたのに。
たろうは ないた。
りゅうぐうが こいしく、
おとひめが なつかしく、
いつまでも はまべに
すわりつづけていた。
昔話は「長者になった」とか、お殿様に「ごほうびをいただいた」とか、「鬼を退治した」とか、「めでたしめでたし」で終わるものが多い中、この作品は失敗と喪失感を残して幕を閉じます。
「鶴の恩返し」もそうですね。
そういえば、と思い出したのが、二千年前のローマの「オルペウス・エウリュディケ」の物語です。
映画にもなっています。
イザナギ・イザナミの物語にも似ています。
小学生の読み聞かせなら、絵のない物語ということで、オウィディウスの『変身物語』もよいかもしれません。
親が先に「もう読み聞かせは卒業だろう」と思ってはもったいないです。
人生一度きり。
可能なら「できるだけ長く」がbetterです。
サンタの法則と勝手に読んでいますが、サンタさんが家に来なくなるまで、読み聞かせは続けると子どもは幸せです。

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