養老孟子氏が「1日10分自然のものを見よ」と答えておられます。
「どうすれば頭が良くなるのでしょうか」という問いに対してです。
なぜ自然のものを見るといいのか?
養老氏によると、人は本来、目や耳から入る生の情報(感覚所与)を、脳が「意味」に変えて世界を理解しています。
しかし現代の都市生活では、意味のあるものだけに囲まれて暮らすため、意味づけできない情報を無意識に切り捨てる癖がついてしまいます。
都会のオフィスは温度も音も光も管理され、感覚が刺激されにくい空間です。
一方、自然の中では、風や光、音など、意味の分からない情報が次々と入ってきます。
それに触れることで、「世界には自分の理解を超えたものがたくさんある」と気づかされます。
この「わからなさ」こそが、好奇心や思考力の源だというのです。
これは『遺言。』の中で述べておられることです。
大人相手でさえ、このとおり。
まして、これからの子どもたちにとって、「自然の中で遊ぶ」意義は無限大と評価してよいのではないでしょうか。

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