今日は一茶の俳句の4回目でした。

一列ずつ俳句を声に出したとき、少し全体の落ち着きがないように感じました。

よいタイミングだと思ったので、どうして静かにするときに静かにしないといけないのでしょうか、わかる人は手を挙げて教えて下さい、といいました。

一人ずつ当てて答えてもらいましたが、異口同音に「(自分が)わからなくなるから」と答えました。

そうだね、そのとおり、と前置きした上で、じゃあ、誰がわからなくなるのだろう?(自分だけかな?)と問いました。

一番後ろの席の人が先生の話を聞こうと思っても、その前に座っている人たちがざわざわしていたらよく聞こえるでしょうか。

よい姿勢で話を聞くという態度は、自分だけでなくほかの人の学習環境を守る点で大切です。

幼稚園時代に学ぶべきことは、知識より学ぶ姿勢、取り組む姿勢だと思います。

今日は、その後一茶の俳句を一人ずつ手を挙げて発表してもらいました。

威勢良く手を挙げて当たるまではよくても、立つとど忘れすることは誰にもあります。

その場合、周りのお友だちはひそひそ声で教えてよいでしょうか、という問いかけはずいぶん以前にしてあります。

教えてあげたくても我慢する。皆の静寂は立った友達にはプレッシャーとなりますが、その緊張した場面で、私は必ず助け船を出します。

そして、あやふやに最後まで言い切っても、よくがんばったね、と声をかけた上、(それをできたことにはせず)、もう一度一対一でおさらいをした上で、もう一度やってみよう、と声を掛けます。そして、自分の力だけで最後まで自信を持って発表できた、という経験を味わってもらうように導いています。

そのような場面をクラス全体で共有できると、「もし発表出来なかったらどうしよう?」という不安は軽減します。

大なり小なり子どもたちは「格好良く発表したい」、言い換えると、失敗はしたくない、という心理を持ちます。

発表をためらう理由は、それがすべてではありません。私は俳句のやりとりを通じて、子どもの心の奥底に思いをはせる機会を得ています。

関連記事: