年長児の俳句ですが、一週間に一度のペースで進めています。さすがに一週間に一度だけだとすぐに忘れるだろうと思うのですが、実際のところはどうなのでしょう。

昨日は、一週間前に紹介した俳句をおさらいしましたが、その前に、「どんな俳句だったか覚えているかなあ」と言いました。(細かいことですが、「覚えている人はいますか?」と尋ねると、必ず「はい、はい!」と手を挙げる子がいますが、当たると言えなかったりします。言えるのに手を挙げられなかったと後で自分を責める子もいます。勝負事ではないので、「覚えている人?」と「覚えているかな?」は大違いの展開になります)。

こう尋ねると、めいめい必死で思い出そうとします。あちこちから確かめるような言葉が断片的に聞こえてきます。自信なげです。中には「大蛍ゆらりゆらりと通りけり 一茶」と言う子もいましたが、それは一つ前の俳句です。

それでも、みなで少しずつ言葉のパーツを出し合い、「五月雨を 集めて早し 最上川 芭蕉」まで復元できました。たいしたものです。

このちょっと不安げな、覚え切れていないという状態で、「じゃあ、もう一度みんなでおさらいしましょう」と呼びかけると、「よし、やるぞ!」というムードが高まります。

そんな感じで、3,4回全員で練習すると、もうやることは何もありません――私は欲張りません(^^)。これも細かいことですが、勢いが出たらアクセル全開に達する手前でとめておかないと、ちょっとした「燃え尽き」気分になります。これは、生活発表会の練習についても言えます。練習だけに焦点をあてると「がんばって練習することはよいこと」ですが、やりすぎると何かと弊害があります(先生には注意しています)。

ちょっと手前でとめておいて、「はい、おわり」というのは逆に、つまらないという印象も与えますので、そこでちょっとだけ小話を入れます。

疑問文を投げかけると、幼稚園児は(大人と違い)間髪入れずに反応し、あちこちから声がかかるので、収集がつかなくなります。それで、「今からちょっとお話をするけれど、お返事は心の中でして下さい。」と前置きをしておきます。

「年少さんは俳句をしません。どうしてかわかりますか?幼稚園に慣れる、ということを練習しています。年中さんはどうでしょう?自分の気持ちを言葉で伝える練習をしています。どういうことか、みんなもわかりますね?じゃあ、年長さんは何の練習をしているのでしょう?みんなはいつ何をしたらいいか、そういうことはちゃんとわかっています。先生にそれを言われてからやるのではなく、言われなくてもそれができるだろうか?と考えて下さい。今はその練習です。

たとえば、俳句の時間、どのような姿勢でお話を聞けばよいのでしょう。(このとき、みんな姿勢を直しました)。そう、先生は何も言っていません(本当は少し言っている)。でも、みんなは言われなくても自分でそれができるのです。

じゃあ、お遊戯の練習中はどうでしょうか。練習中のお友達を心の声で応援していますか。出番じゃないからといって、友達とふざけているとか、しませんね。クラスの先生は練習中のお友達にあれこれお教えるので一生懸命です。先生が何も言われないけれども、「今は何をするときか?」自分でしっかり考え、行動できるようにがんばっていきましょう。」

このような話を間にはさみ、園児の作った俳句を二人分、昨日は紹介しました。どちらも心のこもった作品でした。園児の俳句は折を見てまたご紹介したいと思います。

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