一茶の俳句に「猫の子の」で始まる作品があります。

猫の子の ちよつと押へる 木の葉哉

ずいぶん以前(20年ほど前)に保護者から「ちょっと」じゃないかとご指摘を受け、確かにその表記のテクストはありますが(岩波文庫)、週末Ryoma先生から「ちよつと」の版(岩波古典文学大系)のコピーを見せてもらいました。

その注に、「手先を丸めて、からだごとはずませてちょっかいを出す子猫の姿態が浮かび上ってくる。一茶の愛の目が感じられる」とあり、なるほどと思いました。

今取り組んでいる俳句は蕪村のものです。

遠山に 夕日一すぢ 時雨哉

この俳句、本当に蕪村の作品にあったかな?と不安になり、また、前から気になっていた「猫の子の・・・」の「ちょいと」問題についてRyoma先生にお尋ねしたところ、上の「猫の子の・・・」と蕪村の「遠山に・・・」の作品の載ったコピーを頂いた次第です。

ちなみに、「遠山」と言えば私にとっては幼稚園から遠くに見える「愛宕山」のことであり、さる12月1日、その遠景の雲間に夕日の見えるなか、冷たい時雨が降ってきたので、「(蕪村の俳句の世界は)これだろう!」と思って写真を撮りました。蕪村は「違う」というかもしれませんが、私にとってこの俳句の雰囲気はこんな映像です。

一茶の「猫の子の・・・」の映像は、子猫を飼っている方なら、だれもがいくらでも思い浮かべることができるでしょう。

「名月を にぎにぎしたる 赤子哉」もイメージが鮮やかに浮かぶ一茶らしい名句と言えるでしょう。

これも二学期のはじめに子どもたちに紹介しました。

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