英語と日本語を比較すると、「卒業」のイメージが180度異なります。
どちらが正しいということでなく、どちらも同じことを視点を変えて捕らえているだけです。
複眼的な視点をもつことで、幼児教育と小学校以上の教育の大事なポイントについて俯瞰的に述べた一文を10年以上前に書きました。
>>「終わり」は「始まり」――「根っこの教育」を大事にしたい
昨日紹介した合格体験記の冒頭の断り(自分はこういう目標が最初からあったから山の学校で学んだのではないという断り)は、この一文の趣旨を具体的にふまえたものと理解できます。
彼は目標を遠い先に掲げています。理想と言い換えてもよいでしょう。
理想と現実は対比的に語られますが、本当は表裏一体のものです。視点をどこに置くかが鍵になります。
理想を胸に秘め、真摯に現実に対応すれば、結果は自ずからついてくるということです。
お山の道も、友と語らいながら一歩一歩歩みを止めなければ、気づくとてっぺんにつくようなものです。
何時にてっぺんにつかねばならない、と目標を目指して登ると息切れします。途中の道も楽しくありません。
このことを親が理解し、子どもの歩みを見守れば、納得のいく結果はついてくる、という一つの具体例として、私は昨日の合格体験記をお読みいただきたいと思いました。
子どもが何かに夢中になり、自らを駆り立てる道は無限にあります。
しかし、理想と現実の対比についてどのような視点でとらえるべきなのか、根本の原理は一つであると私は信じています。