dsc_0974

9時半。年長児の俳句の時間です。外は大雨。屋根に当たる雨音を聞きながら、全員で黙想をしました。

今日は園児の作った俳句はなく、手ぶらで部屋に入りました。そのこともあり、いつもより少し長めに黙想をしました(2分少し)。

前回紹介した俳句を何度も繰り返し声に出し、一列ごとに復唱していきました。

外が雨であるせいか、みなの姿勢もよく、集中力がみなぎっているように感じました。

また、今日は時間に余裕もあったので、「よし、やろう」と、とっさにひらめいたことがあります。

それは、「発表する」ということです。

「今の俳句を覚えた人はいますか?」と尋ねると、ほぼ全員が元気に手を上げました。

では今から発表してもらいます、と言って、どうするかの見本を見せました。

私が皆の前に立ち、今習っている俳句をゆっくり声に出しました。

これができる人はいますか?と尋ねるとさっきより少ない数の手が上がりました。

一列目から二人の手が上がり、順に発表してもらいました。一人目の子ができたとき、自然と拍手の音も聞こえました。

みな、何事が始まるのか?興味津々で、私語はありません。張り詰めた空気の中、全員で4人ほどあたって発表できました。

周囲の子どもたちは「すごいな」という目で発表する子どもたちを見ていましたが、私はそうやって静かに聞いていた周囲の子どもたちのことをほめました。

ざわざわしていたら、今のように発表する力は湧いてこない、しっかり発表ができたのは、本人もよく頑張ったし、周りのみんなもよく聞いて上げることができたので、どちらも立派だったと伝えました。

最後に全員で声を合わせたとき、みなよい姿勢で口を開けて発表できていること、だから、全員が立って発表する力があることは先生はわかっていることを述べました。

例年運動会が終わってから、年によっては11月から始める俳句の「発表」ですが、今年は少し早いタイミングでスタートしました。私の願いは、全員が躊躇せずに堂々と発表できることです。しかし焦りが一番禁物なので、上のように「今まで通りでよい」と述べたわけです。

これを読んだ年長の保護者の方へのお願いは、ご自分のお子さんが発表したかどうかをお尋ねにならないでいただきたいということです(できればの話です)。

プレッシャーを感じて、それをいつか乗り越えるというのも一つのストーリーですが、現状のまま推移しても、自ずと全員発表できることは例年の経験から明らかです。

であれば、遠目に見守っていただき、子ども自身が自分にたいして「よし、がんばろう!」と呼びかけ、自分でそれに応えて「はいっ!」と手を挙げて達成する、という一連の展開がベターだと思います。

昨日の保護者会でも申し上げましたが、先生や親が是が非でもという形で目標を設定し、そちらになかば力ずくで誘導するとき、子どもたちは本能的に「やらされている」と直感し、底力を発揮しません。

俳句の取り組みにもある部分で誘導は含まれるので、その危険をわきまえつつ、できるだけ子どもたちが、自分の決断と勇気によってチャレンジし、達成するというストーリーを私は常に思い描くようにしています。

関連記事: