お山の中は毎日静かです。夕方には決まった時間にヒグラシが鳴き始めます。この時間、それ以外の音はなにも聞こえないほどです。芭蕉にならってなにか俳句でも作れそうな環境ではあります。子どもたちがここにいたら、どんな俳句を作るだろう、と考えたりします。

実際、年長児になると、「虫」をテーマにいろいろな俳句を作ります。一学期にちょうだいした俳句に次の句があります。

かぶとむし そろそろとべよ きのみつに

これは、虫が大好きで、捕まえた虫をいつもいとおしむように大事にするお子さんの句です。一茶の「かたつぶり そろそろのぼれ・・・」の句をしっかり自分のものにして、なおかつかぶとむしを応援する気持ちをみごとに言葉に托しています。

同じくかぶとむしをテーマにした俳句に次の句があります。

さなぎだよ もうすぐかぶとに へんしんだ

この句は出だしがよいですね。男の子らしい力強い俳句です。と同時に、幼虫から自宅で大事に育ててきたかぶとへの愛情がこもっていますね。この夏休み、このかぶとは期待通り大きく成長したでしょうか。

関連記事: