かつて「考えること、学ぶこと」と題したエッセイを山びこ通信に書きました。
>>「考えること、学ぶこと」
ここで引用した『論語』の言葉「学びて思わざれば即ち罔し。思いて学ばざれば即ち殆し」の意味は示唆的です。
前半は、「学習を積んでも自分流に考えなくては学びの意味がわからずぼんやりとしてしまう」、後半は、「自分流に考えることばかり優先し、基礎的な学びを疎かにすると独断に陥り危険である」という意味で私は理解しています。
基礎の学習については、先日来繰り返しているように、学校で学ぶ内容をしっかり復習して身につけることが何より大事です。これが孔子の言う「学ぶ」内容に当たります。一方、そこで終わっていては「なぜ学ぶか」の意味が不鮮明になるということで、孔子は「思う」ことの大事さを述べています。この場合の「思う」は「自分なりに考える」という意味でとらえてよいでしょう。
学校は基礎を教えることに重点を置き、放課後は復習と読書を中心とした「思う」時間を大事に確保すればバランスが取れるかと思います。
孔子の言葉は教育を考える上でヒントになります。