ローマ時代の学者が、幼児教育の大切さについて、こう語っています。

きわめて多くの事柄への希望が子どもたちの中で輝いている。それ(希望)が年齢とともに消え失せるなら、素質でなく(教育上の)配慮が欠けていたということが明らかである。(クィンティリアーヌス)

常々私は、子どもたちの「探究心」や「好奇心」は、育てるより守るものだ、と主張しています。

よかれと思ってあれこれ無理な関わり方をすると、子どもの探究心を育てるつもりが、その逆をいくケースが得てしてあります(クィンティリアーヌスの言葉でいえば「教育上の配慮が欠ける」ケース)。

やりたい!見たい!知りたい!という子どもたちの素直な気持ちの輝きを守るにはどうすればよいか。

電気製品のマニュアルのように箇条書きはできません。

ヒントは親が子どもの頃の心を思い出すことだと思っています。

雪の日なら誰もが簡単に童心に帰ります。

空に虹を見つけてもそれは可能でしょう。

大人は大人ですが、心の根っこには、子どもの心が眠っています。

雪が降らない日にも、虹が出ない日にも、いつでもその気持ちをめざめさせることができればよいのでしょう。

つい「忙しい」と口にしてしまう日常において、それは難しい課題です。

私がよく絵本を子どもと楽しむ時間を大事にして欲しい、と言うのは、一つにはその時間は、親がおのずと童心に帰ることのできる時間だと思うからです。
(「義務」ではなく自分の「楽しみ」として続けていただきたい、と言うのはそのためです)。

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