お山の上は桜の満開が近づいてきました。

こうして自然は春に美しく桜を咲かせたり、冬に雪を降らせたりします。

桜や雪といった目で見てわかるものばかりが自然の贈り物ではありません。

自然を擬人的にとらえると、自然はそうした特定の日だけ人間の目に留まるプレゼントをするのでもないでしょう。

チューリップはまだ咲きませんが、今この瞬間にも土の中で1ミリ、2ミリ、成長を続けているのでしょう。

「秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる」と歌に詠まれたように、無色透明の吹く風ひとつに自然の移ろい、恵みを感じることは可能です。

(昨日の続きになりますが)二千年前のローマ人の言葉を借りれば「Omnis habet sua dona dies. 毎日その日の贈り物がある」ということになります。

子どもも大人も、誰もが自然の中に身を置けば、その贈り物に気づくはずです。

ただ、都会生活の日々において、とりわけ忙しく動き回っていると、どうしてもその贈り物に気づきません。

一方、歩道を子どもたちと一緒に歩いていると、よく空を指さして飛行機雲を教えてくれることがあります。

子どもたちは心を許した大人には、とりわけ両親や祖父母には、自分の見つけた「その日の贈り物」を大事そうに打ち明けてくれます。

自然の、また、子どもたちからの「その日の贈り物」を大切にしていきたいと思います。

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