毎年のことを書きます。
朝の登園。お母さんと涙のお別れ。
石段下では私が抱っこし、号泣。
でも、一つ目の角を曲がると自分で歩きます。
さっきから様子を気にしていた年中さん、年長さんが(用意していた)ハンカチを出して涙を拭きます。
どうしても自分で歩かない場合、どこかのタイミングで、スマホを見せて「これ電話って知ってる?」と聞くとたいていうなづきます。
「上についたらお母さんに電話してあげる」というと素直にうなづいて歩き始めます(スマホは必需品)。
そこから一歩一歩登っているうちにだんだん気持ちが晴れることがほとんどで、最後のお地蔵さんまで泣き続ける「猛者」はまずいません。
私の勝手な想像ですが、自然に囲まれた山の道が子どもたちの心を癒すのではないかと思っています。
癒すのか、興味をひきつけるのか、よくはわかりませんが、普段見慣れた都会の気色とはまるで違います。
一歩一歩移動するたびに目の前の景色がダイナミックに変化します。おまけに鳥の声が美しいBGMを奏でています。
とかくするうち石段を登り切り、お地蔵さん前でIkuko先生に挨拶できるケースがほとんどですが、私はかならず鉄棒前でしゃがみ、よくがんばったね、と言います。
それからスマホを見せ、「でんわするね」とエアー電話をかけます。
お子さんの名字を確認し、「もしもし、〇〇さんのおたくでしょうか?」から始まって、「Aちゃんはがんばらはりました。はい、もうないてはりません」と聞こえるように言います。
すると、ちょっと涙が光っていても、急いで自分で涙をふく姿もあります。
そんな様子を近くで見つめている年中児、年長児。
電話が終わると、待ってました、とばかりその子の手を引いて部屋まで連れていく。・・・・毎年の風景です。
今年は年少児さんが多いですが、最初の一週間は先生の手が十分あります。
どうか安心してお預けください。