満三歳児さんが入園するたび、年少児クラスが活気づき、年少児が一段と成長する、というふうに感じています。
子どもたちは、自分の過去の姿を間近で見守ることで、そのとき自分が周囲から受けた優しさを思い出しているようです。
赤ちゃんはなにもかも周囲にしてもらう受け身の立場です。そこから、一歩一歩自立の道を歩んで人は成長します。
赤ちゃんは言葉を発しませんが、心の中で優しさの原体験を重ね、「ありがとう」と言っていると思います。
年少クラスでは、登園初日の満三歳児さんが最初は少し涙ぐむ様子を見て、誰に言われなくてもぬいぐるみをもってきて傍に置いてあげたり、ティッシュを持ってきてあげたり、します。
しばらくすると泣いていたお子さんの涙もとまり、園庭では周りの子どもたちと一緒にとけこんで笑顔も見られるようになります。
笑顔になったそのお子さんも、あと数か月して入園してくる新しいお友達に対して、優しく接してくれることでしょう。
子どもたちは、幼稚園の集団生活を通じ、一人一人が優しさのたすきリレーに参加して、誰もが感謝の原体験を重ねています。