子どもの好奇心ということで補足します。難しい話でなく、私自身、小学校時代を振り返ると、あのときのあの先生の、あの一言が自分の「好奇心」を守ってくれた、励ましてくれた、という瞬間をいくつも思い出すことができます。
1月の保護者会では、そのような「思い出」をいくつかお話ししたのですが、なぜ思い出を語るかと言えば、誰にも似たような思い出はあると信じるからです。
もちろん、思い出には美しいものも、そうでないものもありますが、私は大人が大人である限り、努めてよい思い出を反芻すべきだと思っています。
小学校2年生の時、鴨川まで遠足に出かけましたが、担任の先生は河原の砂の上に三角形の相似の原理を説明しながら、向こう岸までの距離を推定できるという話をしてくれました。
むろんその内容は理解できませんでしたが(中学校で学びました)、先生の一生懸命な気持ちが子どもの私にもよく伝わりました。砂の上の指の動きまで思い出します。
いまだにそのときの神聖な気持ち(何か大事な秘伝を授かるような気持ち)を忘れることがありません。
子どもだからといって、何か馬鹿にしたような態度をとる大人がいますが、その反対の例です。学校の先生なら当然の態度かもしれませんが、私も幼稚園児にものを尋ねられたら、背筋を伸ばして真剣に教えます。