ローマの哲人セネカは、ローマの植民市ルグドゥーヌムが大火のため一夜にして焼け落ちたことを伝えています。
「死すべき人間の営みは皆、滅び行く運命にあり、我々はそんな死すべきもののあいだで生きている」と。
続けて、「この都市においてもまた、すべての人々が失ったもの以上に立派で素晴らしいものを再建しようと競いあうに相違ない。願わくば、この都が末永く、よりよい吉兆に恵まれて、長い年月にわたって栄えるべく建設されますように」と祈ります。
このルグドゥーヌムは今のリヨン市(フランス)のことです。
なんと見事な復興を遂げたことでしょうか。セネカの祈りの言葉は今も私たちの胸に響いています。