オリンピックが始まりました。
2千年前のローマの叙事詩に船のレースを描いたシーンがあります。昔も今も人が熱中するものは同じだと感じます。
その中に「力があると思うゆえに力が出る」という表現があります。
子どもの自信をどう守り育てるかについて、以前このフレーズをもとにしてエッセイを書きました(「山びこ通信」2015)。
今は情報化社会であり、子どもたちの「評価」に数字はつきものです。それを避けるのでなくどうつきあえばよいか、ヒントを書きました。
その中で、先代園長の次の言葉を引用しました。
「今できないことを性急に求めるよりも、今できていることをまず認める。これが、わが子にやる気を起こさせ、自信を持たせるコツです。」(「ぐう・ちょき・ぱあ――完全を求める親――」(『山下一郎遺稿集』所収))
これは簡単に見えてなかなか実践は難しいです。大人が高い目標をもつと「まだまだ」と焦りがちになるし、そのため子どもの「今できること」を冷静に見る目を鈍らせてしまいがちだからです。
立ち止まってふりかえる余裕があれば毎日リセットできると思います。