発表会との兼ね合いで、この日は久しぶりの俳句の時間となりました。それでも皆よく覚えていて、スラスラと朗唱することが出来ました。
続いて、最初に習った一茶の俳句を復習しました。その俳句は、「かたつぶり そろそろ登れ 富士の山 一茶」というものです。
復習することのよさは、教える方も学ぶ方も、余裕がある、ということです。付随した話をあれこれ展開できます。
そこで、私は子どもたちに、「人間はかたつむりの1000倍の速さで歩く」ということを話しました。(このことに関して、以前「善きことは」と題するエッセイを書きました。理想を持った大人が子どもの導き手になるという趣旨の話です)。
子どもたちに1000倍といってもピンときません。「みんなが朝山の下でカタツムリを見つけたとします。幼稚園で一日過ごして山の下に降りてきたとき、そのカタツムリはどこにいるでしょうか?答えは、みなが15数えるあたりです。最初の角あたりでしょうか」。なんと遅い。子どもたちは一様に思ったでしょう。
「それでも休まず登り続ければ富士山のてっぺんにもたどりつけるはず、がんばれ、というのが一茶のまなざしで、遅いことはけっして悪いことではありません。がんばり続けることが偉い。みんなもそう思いますね」。
続けて、みなが4月から継続して取り組んで来た「鉄棒」と「なわとび」のことにふれ、あきらめずがんばりつづければ、最初できなかったことも必ずできるようになる、ということを強調して話を終えました。